いわゆる放射能測定器ですが、放射線を検出するセンサー部分によって、大まかにシンチレータ、GM管またはフォトダイオードを使用するものに分けられます。
で、俗にガイガーカウンターと呼ばれるものは、GM管を使用したものになります。ドイツ語だと、Geigerzähler(ガイガーツェーラー)と言います。と言うか、GM管はドイツで発明されたので、ドイツ語が元ですね。Zählerは計数器ですので、訳すとガイガー計数器です。
正に、ガイガーカウンターw
GM管やガイガー管と言われるものは、正確にはGeiger-Müller-Zählrohr(ガイガー ミュラー ツェールロアー)と言います。Zählrohrは計数管ですので、ガイガーミュラー計数管ということになります。ガイガーさんが発明して、弟子のミュラーさんが発展させたので、このような名前が付いています。
ドイツの科学は、世界一ィィィィw
なんか、この辺は以前にも書いたような気がする…。
面倒なので、確認しませんがw
計数管の名前が示すように、放射線が何回当たったかを検知するセンサー部分になります。管の仕様によって、放射線のエネルギー範囲に対する感度が異なります。で、「この管では特定の物質からの放射線を何回カウントしたら、線量はいくらですよ」という仕様があるわけです。これを元に、電子部品を周りに組み込んで、カウント数やそれをμSvあたりの有意な単位のある数値に変換して表示するのがガイガーカウンターになります。
センサー部分であるGM管が駄目だと計測器としての性能が出ませんので、購入時に注意すべき点です。仕様のはっきりしない中〇製などは避けるべきかと。安価な機種では、定番のSBM-20を搭載しているものが無難かと思います。高めの機種ではマイカ窓のパンケーキ型もあり、より高感度ですが、繊細なだけに取り扱いも気を付ける必要があります。
GM管の寿命ですが、例えばSBM-20ですと2*10の10乗カウントとなっています。面倒なので正確に計算しませんが、物理的に壊れなければ、通常の線量下で何年かは休み無しで動かし続けられる数字かと思います。
GM管では、基本的に放射線が当たらなくても自分でカウントしてしまう特徴があります。例えばSBM-20の仕様では、最大1秒に1回(1cps)のようです。これは、低線量域で測定値が高めに出る一因となります。あと、上にも書きましたが、仕様上特定の核種にあわせた設計でカウント数を単位付きの数値の変換しますので、ここでも多少の誤差が発生する可能性があります。
自己ノイズがある程度一定であるとすると、下の図のように、測定値は常に実際の値より高く出ます。例えば自己ノイズを0.05とすると、実際に0.05の時には0.10として計測されるので、2倍の値となります。また、実際に0.50の時には0.55として計測されるので、1.1倍の値となります。このように、測定値が低い場合は相対的に自己ノイズの影響が高くなりますし、測定値が高くなれば自己ノイズの影響は低くなると言えます。
SBM-20では、実際のところ自己ノイズの影響が0.05μSv/h前後出るのではないかと思います。公表値などの空間線量率が分かっている場所で計測してみて、差が出れば、簡易的にその分が自己ノイズ分と見ることができるかと思います。それを何度かしてみれば、自身の測定器の性質も理解でき、自己ノイズ分の目安も分かってくると思いますので、後は測定値からその分を差し引くことで、測定値の大雑把な補正も可能かと思います。
他にも、温度やら湿度やら電源電圧やら様々な要因がありますので、「いつも、これぐらいは高目にでるよ」ぐらいで見ておくとよいと思います。
図には、ベータ込みでの測定を想定した線も入れてみました。ある特定の物の表面で、ガンマ線のみの測定で空間線量率と有意な差が見られない場合、その表面でガンマだけの値を測り(青の測定値のライン)、同じ条件でベータ込みの値(ピンクのライン)も測ると、その差を放射性物質がそこにあるかどうかの目安にすることができます。ベータ込みで測って値が上がるようであれば、そこに放射性物質があるということになります。特に値が上がらない場合は、(その測定器でベータ線を測れる)放射性物質が、そこに無いということになります。
とりあえず、安価なガイガーカウンターでも、
- 空間線量率を測る
- 物の表面をガンマのみで測る -> 空間線量率から数値が上がったら、そこに何かあるよ!上がらなかったら、次へ。
- 物の表面をベータ込みで測る -> ガンマのみより数値が上がったら、そこに何かあるよ!上がらなかったら、一先ず安心。
と言う手順で、ある程度の汚染判定は可能かと思います。
と言うわけで、自分で何を書きたかったのか分からなくなったので、この辺で止めますw
まあ、ガンマ線だけとベータ線込みで測れる機種であれば、使い道も広がると思います。おっさんエグゼはRKSB-104に惹かれましたが、同様にSBM-20を2本搭載したpripyatを含め、ベータ有り無しで測れて、予算低めで1台で済ませられる機種かと思います。
予算大目の方は、パンケーキ型ガイガー管搭載のインスペクターやRD1008でしょうかね。
ここまで読んでなんか良くわからなかった方は、値段も下がったSoeksかRD1503あたりを買って、使い倒してみると良いかもしれません。
「ガイガーカウンターって面倒くさそう」と思った方は、近日発売予定のエステーのとか、フォトダイオードを使用したものでよいのではと思います。これにはGM管が入っていませんし、できることが限られる分、取り扱いも楽かと思います。その分、物足りなくなるか、直ぐに飽きて使わなくなる可能性がありますけど。あと、基本的に測定時間がかかることとか。
ではでは、おっさんの戯言でした。